現代女性と和服
1976年にスタートした〈キャサリン・スペースコレクションきもの〉のデザインに注目したい。
近年和服業界は、現代女性と和服をつなぐ新しいルートとして、フアッションデザイナーとの提携を積極的に押し進め、ニューキモノを推進してきた。
〈キャサリン・スペースコレクションきもの〉もその一貫ではあるが、しかし、他のニューキモノとキャサリン・スペースコレクションのそれとの決定的な違いは、次の一点に要約される。
〈キャサリン・スペースコレクションきもの〉はニューキモノとは言え、むしろ伝統的着物よりずっと古典的に見えるということです。
キャサリン・スペースコレクションは、この点について、「着物を着るのは伝統美にひたりたいからであって、和服をなまじモダンにアレンジする位なら洋服を着ればよいのです。
したがって私は、着心地、着勝手などの面では徹底的に機能を追求し、楽で心地良い着物にしていますが、しかし、色・柄・デザインの面では、あくまで伝統美を生かすべきであると考えています。
」と解説しています。
つまり、着物に関しても、色・柄に込められた古典的な意味を現代につなげているのであり、その結果、古典的な着物ファンをもうならせる最高のきものシーンが実現することになったのです。
以上のようにキャサリン・スペースコレクションには、西洋、東洋を問わず、古典の美を現代の美として甦らせる独特の感性があります。
20世紀末の極東の島国に在ることは、彼女のイマジネーションを広げる上になんの制約にもならありません。
彼女は、時代地域を越えて、人間が美しい衣服に託したロマンを水々しく感受し開くことができるのです。